2013年6月2日(日)18:30/19:00~
黒坂圭太「輪郭」上映&トークライブ
アップリンク・ファクトリー
◆上映作品
『変形作品第4番<壁画>』(1985年/ビデオ版<オリジナル8mm>/53分)
『輪郭』(2012年/HD/6分)
『パパが飛んだ朝』(1997年/ビデオ/25秒)
『Agitated Screams of Maggots』(2006年/ビデオ/4分)
◆トークショーゲスト
黒坂圭太
赤塚若樹
昼間行雄
●トークショーレポとか感想とかのメモ●
※司会交えてのお三方の対談って感じで話の流れとか行ったり来たりだったので一応作品ごとに話まとめて書く。よって実際のトークとは順不同。
ややこしいので自分の感想は()内。
(たまに黒坂さんが「お京さん」って呼んでて悶えた。かわっ!!(●∀●))
輪郭PVの依頼が来たとき、DIR EN GREYとの仕事は初めてではないのでAgitated Screams of Maggotsのときと同じようにやろうと考えていた。
音源を渡されて想像していたのと全く違ったのでどうしようと悩んだときにたまたま見直したのが28年前の作品『変形作品第4番<壁画>』、当時やりたくても表現できなかったことが今なら実現できる気がした。輪郭はそのチャンスをくれたのだと思う。
(というわけで、最初に『変形作品第4番<壁画>』1985年作が最初に上映されたのだがあれであの長さは凄いな。
元はパフォーマンスショーで使った映像だそうで、音楽もなく、よくわかんない映像とよくわかんない音の連続なのに53分間一度も目逸らさず観てしまった。
石が割れたり砕けたり竜巻で巻き上げられたりするだけ。53分間!
色は薄っすら青空見えるシーンと、 最後にオレンジや白の光が広がるぐらい。)
(4番は好きなこと思い浮かべながら見ろという映像だったわけだが、結局わたしは53分間これどうやって作るんだろ?今ならあのソフトとこのソフトでできそうだけど、8ミリカメラの時代でしょ?でもアニメでもないよなぁ~ってそんなことばっか考えてたから意図汲み取れてないかもな;)
(映像のことは分からないけど、前のコマと次のコマがオーバーラップしてダブるタイミング、静止画のレイヤー(?)の重ね方とそのズラし方とそれによって畝って見える感じが変形作品4番と輪郭に共通してるかなと思った 。)
通常映画は監督の表現したいものを見る人に一方的に与えるものだがそうではなく見る人が好きなこと考えて脳内で音楽が流れるような映像が作れないかというのが変形作品4番を作ったきっかけ。
輪郭の場合は既に曲があるので、曲→映像→曲とポジをネガにしてまたポジにする発想で映像を作った。
キーワードは溶け合う、融合感。
(ライブのときは出だしの薫見守るのとモデル立ち敏弥の三角筋と堕威さんの刻み見るのに必死だから映像だけ集中して見る機会ってなかったんだけど、メンバーの顔溶けるとこ、薫だけ綺麗じゃね?京は真っ先に変形するから初めて観たときはショックだったし、ダイは口から塊吐くし、としやは目玉コロコロだし、しんやも顔潰れるじゃん。薫だけ上向いて美しく溶けていくからずるいよな。あと、5人が混ざってひとつになった後も塊の中にちらちら個人の顔が浮き出てくるのが、それぞれの自我の主張みたいだなと。)
【輪郭について】
曲と歌詞だけ渡された。
3・11の1年後だったし、京の喉のこともあるのでこういう歌詞になったのかなと思った。
制作期間は正味1ヶ月。
(描かれてるメンバーの容姿からして取り掛かったのは10月近かったのかな?)
事務所からのリクエスト:メンバーの顔は出して欲しい。
メンバー:別に顔要らないんじゃない?
他に注文は何もない。アーティスト同士のコラボレーション。
京の書く歌詞は抽象的なのでそのまま映像にしようとしても成立しない。
フレーズごとのコンマ秒数タイミングだけは合うように絵コンテきった。
歌詞は脚本。脚本もらって映画撮る感じ。
マゴッツのときは初対面なのでメンバーと打ち合わせをしたが、今回は事前段階の話し合いはなし。途中段階をメンバーに見てもらった。スタジオコーストかなんかの終演後に。メンバー疲れ切ってて、いいんじゃないです、進めちゃってくださいぐらいで特に注文もなく。
輪郭は黒坂さんが国フォ行けなくて直接話せなかったそう。
薫から「もうひとつ飛べそうな気がするんだけど。もっと盛り上がるんじゃないか、またまだ先があるんじゃないか」と言われ、筒状の高い塔の1階にある部屋を俯瞰で見下ろしてるカットを追加した。
(薫って映像に関してこういうこと言うんだ、へぇ~)
ちなみに黒坂さんは高所恐怖症。
輪郭の家は一時期廃墟となった監督の家。ベッドで父が亡くなった。
白い手乗り文鳥とかカナリアとかいそうで実際にはいない鳥。
部屋にバッドがある。このバッドで鳥が叩き潰された。
歌を忘れたカナリアがバッドで滅多打ちにされたとも取れる。
【Agitated Screams of Maggotsについて】
直訳すると蠕動的な蛆虫達の雄叫び。
マゴッツは出来上がった後メンバーに直接会えたので京が大喜びしてた。
楽屋で「いやぁ~黒坂さん、これはもう~!!!」
(何その京くん、かわいすぎる)
マゴッツ依頼のきっかけとなった「パパが飛んだ日」も上映。
Toshiyaが90年代にケーブルテレビで観たのをずっと憶えていたらしい。
こちらも最初パパがベッドで潰れてて、黒坂さん曰く2つ3つのときから"クラッシュ"には強い強迫観念があるとのこと。輪郭でも鳥が叩き潰されてる。
マゴッツTVで流れないかもしれませんよ?と言ったが、事務所「どうぞ言っちゃってください」
案の定テレビではモザイクだらけ。クリップ集も販売元ソニーなのでモザイク。交尾してるとこも踏み潰すところも股裂くとこも観て欲しいところはほぼモザイク。後半全部モザイク。
発売元ソニーと地上波CDTV流れるver. スペースシャワーで流れるモザイクver.、各局基準が違うので何パターンもある。モザイクver.は事務所が作った
テレビで放映しちゃいけない色を使ってるのでネットで流れてるのは色別ver.
ネットで流れてる無修整版とされるマゴッツもテレビでは放送できない色を省いたver.なので上映会で流したのとは違う。
(わたしはあのセピア調のしか観たことなかったから今日赤や青付いたの見て驚いた)
依頼は職場にマネージャーから突然電話かかってきた。
最初マンションの押し売りかと思い断ろうとした。
ラフスケッチ持って行ってメンバーと直接話し合い。
絵コンテ持って行ったらオールok。
メンバーの顔とか演奏シーンとか入れたほうが…と提案したが、「いいんじゃないですか?皆(黒坂さんの作品)観たいよな?」「うん観たい観たい」で決まった。
最後に再度『輪郭』上映して終了。
(トーク聞いた後だとまた違った注目点もあって興味深かった。)
6/14はトークショーのゲストが違うからまた違うお話が出るかと。
カメラ担当した海上梓さんという女性の方。本日も会場の後ろにはいらしてましたがかなりお若そうな。撮影秘話も聞けそう。と、水吉章さん。
予約時に「以前も当日ドタキャン20人くらいいたから来られない場合は必ず事前連絡するように」ってメール返ってきたのに、今日も空席20どころじゃなくて…。予約で満席の筈だったのに。こういうことが続くともうDIR EN GREY関係やってくれなくなるんじゃない?6/14が心配。
たぶん、14は14で違うエピソードが出ると思うので、行かれる方のレポ楽しみにしてます。